会計税務情報 2003年5月号
永野森田公認会計士事務所
自宅の売却益除外制度利用法
自分が住んでいた家を売って得た儲けには一定限度までは税金がかからない。限度は一人$250,00、夫婦なら$500,000.そして、その条件は、過 去5年のうち、2年間自宅(Principal Residence)として住んでいたこと。こんな、一見、単純明快とみえる規則についても、色々な疑問、質問が寄せられます。今月は、幾つかの事例を通 して、そうした要請に応えます。
Principal Residenceの条件
事例―別荘を売って儲けが出た場合には、通常のキャピタルゲインが掛かる。
事例―アメリカのグリーカードを持つ駐在員Aさんは、転勤に伴い、アメリで買って住んでいた家は人に貸し、日本に帰国した。日本では、コンドを購入 し住んでいたが、再びアメリカ赴任になったのので、そのコンドを売却。儲けを手にした。Aさんは、アメリカでの申告上、その儲けを非課税枠の範囲で除外す ることが出来る。
居住期間の条件
事例―アメリカのグリーンカードを持つBさんは、アメリカ在住中一軒家を買って3年住んだ後、その家を貸して日本に帰国した。その後、4年が経ったところ で不動産が値上がりしたので、売却した。Bさんは、過去5年のうち、 2年間自宅として住んだという条件が充たせないので、非課税枠を使うことは出来ない。
事例―アメリカのグリーンカードを持つBさんは、アメリカ在住中一軒家を買って3年住んだ後、その家を貸して、日本に帰国した。その後4年が経ち、 再び、アメリカに移住。貸していた家に再び住むようになった。Bさんは、非課税条件を充たすには、その家に2年間住まなくてはならない。
事例―自営業のCさんは、自宅の一室を仕事に使っているので、その部屋の面積分だけ、減価償却をとってきた。値段が上がったので、Cさんは、居住期 間の条件を充たした後、その家を売却した。減価償却による取得価格の減算後の儲けが非課税限度内であったとしても、減価償却部分については、キャピタルゲ イン課税がある。
―例外規定―
2年間の保有期間は、次の状況下では、条件が緩和されます。
* 転職 * 健康上の理由* その他、予期せぬ重大な変化により、自宅の保有が困難となった場合。
事例―独身のDさんはコンドを半年前に買って、その間そこに住んでいたが、勤めていた会社が倒産し、転職を余儀なくされた。転職先は他州で、通勤が不可能 の為、これを処分したところ、$50,000の儲けがあった。Dさんの非課税枠$250,000の6ヶ月相当分は$62,500で、儲けはこれより少ない ので、全額非課税扱いになる。
$50,000 < $250,000 x 6÷24 = $62,500
更新日: 2003年05月01日