新型コロナ大型救済策第2弾

会計税務情報 2021年1月4日号
Nagano Morita, a Division of Prager Metis

 

新型コロナ大型救済策第2

トランプ大統領は2020年12月27日夜、新型コロナウィルス大型経済救済策の第2弾となる法律Consolidated Appropriations Act, 2021に署名した。9,000億ドル規模の支援策が盛り込まれ、個人には現金支給、失業手当、企業には免除されたPPP(Paycheck Protection Program)ローンにより支出された適格費用の税控除、第2弾のPPPローン、税務上のインセンティブ等の施策が含まれている。以下は、日本人、日本企業に関係のある部分の要点である。

 

1. 現金支給

単身者600ドル、夫婦1,200ドル、16歳以下の子供一人当たり600ドルの現金が2019年の調整総所得 (Adjusted gross income、AGI)の金額に応じて支給される。2019年のAGIが単身者75,000ドル、夫婦合算申告150,000ドル未満の場合には全額支給。AGIがその金額を超え、単身者87,000ドル、夫婦合算申告174,000ドルに至るまで支給額は減額(Phase out)される。今回の現金支給は、実質的には2020年度個人所得税のクレジットの先払いという扱い。トランプ大統領は一人当たり2,000ドルへの引き上げを唱えていたが上院共和党主導部の賛同が得られず、現時点では実現していない。

 

2. 失業手当

2020年12月末で失効予定だった連邦の失業手当が11週間延長され、2021年3月中旬まで継続された。一人につき週300ドルの失業手当が給付される。

 

3. 免除を受けたPPPローンから支出される適格費用の税控除可能

IRS Notice 2020-32で、債務免除されたPPPローンで支払われた適格費用(給与、レント等)は、税控除できないとされていたが、今回の法律で当初のPPPローンの意図はそのような適格費用は税控除が出来るということであったことを明確にし、税控除可能とした。

 

4. PPPローン第2弾の実施

債務免除可能とする新たなPPPローン第2弾(PPP2)が実施される。借入限度額を2019年の月平均給与の2.5倍までとし(但し、レストランやフード・ビジネスは3.5倍まで)、1社当たりの借入限度額を200万ドルとする。PPP1でローンを借りた企業もPPP2を申請できる。中小企業救済が目的であり、今回の条件は、従業員数300人以下で、2020年中のいずれかの四半期の総収入(Gross Receipts)が一期でも2019年同四半期と比較して、25%以上減少した企業が対象となる。PPP1と同様にローン総額の最低60%を従業員給与に使用した場合は免除可能となる。給与以外の支出用途としてはレントや不動産担保ローンの支払金利に加え、COVID安全対策、コンピューターソフトウェアおよび会計関連、クラウドサービス導入等の新たな費用項目が追加された。ローン使用の債務免除対象期間は、前回と同様にローン支払いを受けた日から8週間もしくは24週間の選択となる。ローン金額が15万ドル以下の場合は、債務免除申請方法は簡素化される。

前回PPP1の時と同様、多くの中小企業からの申し込みが殺到する事が予想される。PPP2の借り入れを希望する企業は早めに金融機関に借入の意思を伝えることが肝要である。

 

5. CARES Actのインセンティブの追加・延長

従業員雇用維持税控除(Employee Retention Tax Credit

従業員雇用維持税控除は、企業に従業員雇用維持のインセンティブを与えるため、従業員給与額の50%相当部分について従業員一人につき年間$10,000を上限とする連邦税控除を企業に与える制度。当初の対象期限は2020年12月末となっていたが2021年6月末まで延長する。

 

慈善寄付金(Charitable Contributions

個人の場合、2020年の慈善寄付金控除額が、調整総所得(AGI)の60%から100%に引き上げられる。また、個々の納税者は2020年の申告において300ドルの現金による慈善寄付金を調整総所得前控除(Above the line deduction)として申告する事が可能となる。標準控除(Standard deduction)を取る個人も300ドルの慈善寄付金控除ができる。企業の場合、2020年の慈善寄付金額の控除率が課税所得の10%から25%に引き上げられる。また、25パーセントの制限を超える慈善寄付金額については5年間の繰延が可能となる。

 

6. ビジネス食事代(Business Meals)は100%控除

飲食業界を支援する観点から、2021年1月1日から2022年12月31日までの2年間、飲み物を含むビジネス食事代の税務上控除限度額を、現在の50%から100%に引き上げる。

 

この他にも税務上の特別措置が数多く伝えられているので具体化するにつれてご案内する予定である。上記に関するご質問等ございましたらご連絡下さい。

 

 

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Nagano Morita, a Division of Prager Metis CPAs