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Wayfair判決の日本企業への影響 2018/07/04

会計税務情報 2018年7月号
永野森田米国会計士事務所

 

Wayfair判決の日本企業への影響

 

2018年6月21日に連邦最高裁より下されたWayfair判決により、州税務当局は、州内に、人、物、事務所等、物理的なもの(“Physical Presence”)を有さない、州外企業、個人に対しても、Sales, Use Taxの徴収義務を課す事が原則可能となった。今後、多くの州では、Wayfair判決にて合憲性が認められたSouth Dakota州の例に倣って税法を改めた上、州内にPhysical Presenceを有さない者に対しても、Sales, Use Tax徴収義務を課し始めるものと予想される。Wayfair判決の影響は、アマゾン等のオンライン小売業者に限らず、Physical Presenceを持たない州にも売上のある者ならば、誰にも一様に及ぶ。その為、多くの企業にとって、Sales、Use Taxコンプライアンスが、頭の痛い問題になる。

 

 

1.Wayfair判決の影響

Wayfair判決は、米国に物を輸出する日本企業にも、大きく影響する。例えば、カリフォルニア規則(California Regulation 1620)では、輸出(カリフォルニアから見た場合)に対するSales Taxの課税権が米国憲法によって制約される事実がうかがえるが、他国から輸入され、カリフォルニア州内にて使用される物については、米国憲法の制約を受けないことが確認できる。その為、現行のカリフォルニア税法では、もし、日本企業が、カリフォルニア州にてコントラクター(セールスレップ)を雇っている場合、同州の消費者への売上は、課税対象の取引となる為、同社はカリフォルニア州当局に登録すると共に、Use Taxを徴収しなければならない(California Revenue and Taxation Code 6203)。Wayfair判決を受けて、もしカリフォルニア州が税法を改め、Physical Presenceの有無に関わらず、州外販売者に対し、Sales, Use Tax徴収義務を課す事が出来るとした場合、上述の日本企業は、仮にコントラクターとの契約を解除しても、依然としてカリフォルニア州に対し、Use Tax徴収義務を負うことになる。

 

 

2. Sales Tax(売上税)、Use Tax(使用税)の判断

日本企業が、州税務当局に対し、Sales, Use Tax徴収の為の登録を行う場合には、自らが徴収すべき税が、Sales Taxであるのか、Use Taxであるのか、先ず確認しなければならない。カリフォルニア州においては、以下の2つの条件の両者を満たした場合に、Sales Taxを徴収する事になる(そうでない場合は、Use Taxを徴収する)。

 

  • 商品の所有権が、カリフォルニア州内にて顧客に移る。
  • 販売者のカリフォルニア事務所が、当該売上に関与する。

 

また、州外の販売者が、カリフォルニア州当局に登録する際、同州内に事務所や在庫を有しない場合は、Certificate of Registrationを取得する。事務所もしくは在庫を有する場合、Seller’s Permitが必要になる。

 

販売者が徴収すべきTaxがSales Taxなのか、Use Taxなのか、正しく判断する事は、税務当局にとっても重要事項であるという。カリフォルニア州においては、Sales Taxも、Use Taxも、時効は8年だが、税務調査にて申告漏れが見つかった場合、Sales Taxは、販売者のみからしか回収出来ないが、Use Taxの場合、販売者(売り手)から回収出来なければ、当局は、消費者(買い手)から回収出来る。

 

 

3. まとめ

Wayfair判決を受けて、各州が税法を改め、州内にPhysical Presenceを有さない者にも一斉にSales, Use Tax徴収義務を課し始めた場合には、日本企業にも影響が及ぶ可能性がある。Sales, Use Tax徴収義務の海外企業への適用につき、各州が今後如何なる方針を打ち出すか、慎重に見守っていく必要がある。

 

 

【執筆者連絡先】Los Angeles Office河村(213-347-1129)

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