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税務上の経費精算ルール 2017/10/04

会計税務情報 ~基礎編~ 2017年10月号
永野森田米国公認会計士事務所

税務上の経費精算ルール

 

今月は会計税務情報~基礎編~ということで、従業員の経費精算についての基本的な考え方、ルールを紹介します。これはIRSが定めた税務上のルールであり、各会社毎に定められた会計上のルールとは分けて考えてください。

 

 

経費精算の方法にはAccountable PlanとNon-Accountable Planがあります。Accountable Planとは、後述する3点を満たすことにより経費の金額を従業員の給与として取り扱う必要が無い経費精算方法です。Non-Accountable PlanとはAccountable Planの条件を満たすことができなかった経費であり、従業員の給与として取り扱わなければならない経費精算方法です。Non-Accountable Planの経費を従業員のW-2にGross Incomeとして含めなければならないということは、会社はFICA*1, FUTA*2, SUTA*3を負担しなければならず、従業員はFICA, Income Taxを負担しなければなりません。

 

Accountable Planの3条件

1. There must be a business connection with the expense
会社の経費として控除を取るのであれば、当然、会社の業務に必要な支出であることが求められます。


2. The employee must substantiate within a reasonable period of time
従業員は支払いの証拠書類(レシート、請求書、小切手等)を妥当な期間内に会社へ提出することが求められます。証拠書類に含まれるべき最低限の内容は1) 金額、2) 日付、3) 場所、4) 支払い明細、の4点です。レストランでの食事であれば人数、会社名、理由も含めてください。


例外として、$75未満の支払い及びレシートが発行されない交通費についてはレシート等の証拠書類は必要ありません。しかし、宿泊費については例外の適用外であり、金額に関係なく証拠書類が必要です。


「妥当な期間」は状況により変わるため一概に決めることはできないのですが、支払いが行なわれた日付もしくはサービスを受けた日付より60日以内に証拠書類を提出することを「妥当な期間内の提出」として扱うSafe harbor ruleと、会社が定めた期間毎(最低でも3ヶ月に一回)に証拠書類を提出することを「妥当な期間内の提出」として扱うSafe harbor ruleがあります。


3. The employee must return amounts in excess of expense to the employer within a reasonable period of time
従業員へ経費の前払いが行なわれている場合、実際に掛かった金額を超えて支給された前払い金額分は、妥当な期間内に会社へ返金することが求められます。返金されなかった超過金額は従業員の給与としてW-2に含める必要があります。

ここでも「妥当な期間」は状況により変わるため一概に決めることはできないのですが、支払いが行なわれた日付もしくはサービスを受けた日付より120日以内に超過金額を返金することを「妥当な期間内の返金」として扱うことができるSafe harbor ruleがあります。

尚、従業員への経費の前払いも妥当な期間内に行なわれる必要があり、実際に支払った日付もしくはサービスを受けた日付の30日前を超えない前払いを「妥当な期間内の前払い」として扱うSafe harbor ruleがあります。
上記3点を踏まえて例題を見てみましょう。

 

1) コンベンションの一週間前、X社は従業員Aにコンベンション参加費用として$500を渡したが、実際の参加費用は$450であった。会社業務に関連したコンベンションであり、従業員Aはコンベンション終了後すぐにレシートと共に経費清算書を会社に提出した。しかし、超過分の$50を120日以上たっても返金していない。


解答) 会社は超過分の$50を従業員Aの給与とし、$50を課税対象としなければならない。


2)  コンベンションの一週間前、Y社は従業員Bにコンベンション参加費用として$500を渡したが、実際の参加費用は$450であった。従業員Bは会社の指定する経費精算書の提出期日、及びコンベンション開催日から60日以上経過した現在も支払い証拠書類を提出していない。


解答) 会社は$500全額をNon-Accountable Planとしての支払いと看做し、$500を課税対象としなければならない。その後、従業員から証拠書類が提出されたとしてもNon-Accountable Planとしての扱いに変更はない。
なかなか経費精算書を提出してくれない困った従業員には、上記の内容を説明することにより理解を促すとよいかもしれません。出張費の精算にはPer Diem というルールもありますので、2017年12月号に掲載します。

 

*1 Federal Insurance Contribution Act

*2 Federal Unemployment Tax Act

*3 State Unemployment Tax Act

 

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