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ビザと税金(米国税法上居住者、非居住者の判定方法) 2017/02/04

会計税務情報 ~基礎編~ 2017年2月号
永野森田会計士事務所

ビザと税金(米国税法上居住者、非居住者の判定方法)

 

2017年より会計税務に関わる基礎的な情報を隔月でお届け致します。
今回は、滞在するビザの種類による米国での税法の違いについて解説します。実はビザのステータスが、米国における税務上の「居住者」、または「非居住者」の判定に重要な影響を与えます。せっかく苦労して申告書を作成しても、居住者、非居住者の判断を間違えてしまうと、申告フォームの選択から間違ってしまいます。

 

1. 米国居住者(Resident) vs 米国非居住者(Nonresident)
米国の税法上、グリーンカードテスト、または実質滞在テスト(Substantial Presence Test)を満たすと、米国居住者となります。(F、J、M、Qビザの方は例外規定があります。2をご参照下さい。)

 

グリーンカードテスト

  • グリーンカードを持っているか?

実質滞在テスト

  • * 申告の年において、滞在日数が31日以上、かつ
  • * 申告の年における滞在日数
  • +その前の年における滞在日数×1/3
  • +2年前の年における滞在日数×1/6 が183日以上
  • * 申告の年・・・ 対象とする申告の年をさします。2016年の申告の場合は2016年

 

(計算例) 2016年、2017年、2018年と毎年121日ずつ滞在したとします。実質滞在テスト(Substantial Presence Test)を適用すると以下のようになります。
121日 + 121日 x 1/3 + 121日 x 1/6 < 183日
毎年の滞在を121日以内抑えている限り、実質滞在テスト上、米国居住者になることはないと言えます。
注意1) 実質滞在テストを満たしても、申告の年に183日未満の滞在であれば、米国非居住者として扱える場合があります。
Closer Connection Exception Statement for Aliens
こちらのフォームを提出し、税法上の居住地(Tax Home)が米国外であることを示すことで、例外として米国非居住者として扱うことができます。
注意2) 実質滞在テストを満たし、かつ申告の年に183日以上の滞在をした場合でも、日米両国にて税務上の居住者となっている場合には、日米租税条約第4条3項により、税務上の居住地国を租税条約に基づき決定することになります。
注意3) グリーンカードテスト、および実質滞在テストについては、米国入国年、米国出国年、グリーンカード取得年、およびグリーンカード放棄年には、その他注意事項(First-year choice、Choosing Resident Alien Status、Dual Status、Earlier residency termination date、Long-term resident 等の規定)があるため、注意が必要となります。

 

 

2. F、J、M、Qビザの方の実質滞在テスト(Substantial Presence Text)免除規定
Exempt Individual

ある一定期間実質滞在テストを免除され、米国非居住者扱いがされる方を指します。
税金免除(Exempt from tax)という意味ではなく、実質滞在テスト免除(Exempt from substantial presence test)を意味します。多くの方が該当するのが以下の2つではないかと思います。

  • JビザおよびQビザにより一時的な渡米をしている教師、研修生で一定の条件を満たす場合。
  • Fビザ、Jビザ、MビザおよびQビザにより一時的な渡米をしている学生で一定の条件を満たす場合。

 

 

3. 米国税法上居住者と非居住者の申告義務の違い
米国税法上居住者

一定額以上の所得がある人
収入の種類、未婚・既婚のステータスによって申告が必要となる所得金額が異なりますが、基本的には課税所得が生じる場合が多く該当します。

米国税法上非居住者

米国税法上非居住者の方で米国に申告が必要となる代表的な例

  • 2016年中に米国内でビジネス活動を行った米国非居住者。
  • 2016年中に米国内でビジネス活動を行わなかった米国非居住者のうち、米国源泉となる配当金、利子所得、賃貸収益、使用料、年金等がある場合。

 

 

4. 米国居住者と米国非居住者の税務上の違い
米国居住者

全世界所得が申告の対象となります。
米国外金融資産の報告義務など厳しいルールが適用されます。

米国非居住者

米国源泉所得のみ申告の対象となります。
以下は所得の源泉地を一般的に決定するルール

 

所得の種類

源泉地(Source)の決定方法

役務の対価

サービスを遂行した場所

配当金

会社設立の国

利子所得

支払い主の居住地

賃貸収益

動産または不動産の所在地

使用料など

使用された場所

年金

その年金を受け取る要因となった役務を提供した場所

奨学金など

一般に支払い主の居住地

(注意)米国税法上非居住者扱いの場合は、所得が以下の2つのカテゴリーに分類され、異なる税金の計算ルールが適用されます。

  • Income Effectively Connected with a U.S. Trade or Business (一般に就労所得など、Form 1040NR Page 1で報告)
  • Income Not Effectively Connected with a U.S. Trade or Business (一般に投資所得など、Form 1040NR Page 4で報告)

 

 

5. 米国税法上の居住者、非居住者の判定のまとめ

 

 

米国税法上、居住者なのか非居住者なのか、この判定から米国での税務上の取り扱いが変わってきます。少しでも疑問が残る場合には必ず専門家に相談されることをお勧め致します。

 

 

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