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2016年米国税制アップデート 2017/01/04

会計税務情報2017年1月号
永野森田会計士事務所

2016年米国税制アップデート

 

2016年で世界を最も驚かせたニュースは、ドナルド・トランプ氏の米国大統領当選だったと言える。トランプ氏は、選挙活動中も、当選後の様々な米国民向けの演説でも一貫して強い米国への回帰と米国の雇用創出を主張してきた。そしてその主張は、共和党の伝統を踏まえ、ビジネスの活性化こそが雇用を生むという信念に支えられている。税制は、経済成長と表裏一体の関係にある。したがって、ビジネス分野における税優遇策が導入されることは想像するに難くない。しかしながら、財政にはバランスが不可避であり、ただでさえ赤字財政が慢性化している現実の中、その財源をどこに求めるかが問題となる。富裕層、中間所得層の個人がターゲットになる可能性がある。何れにしても、2017年は、大きな税制改革の年となるのは間違いなさそうだ。
一方、2016年は引き続きオバマ政権下で制定された税制が履行されることから、格別の変化は認められない中で、手続き面では重要な改正が行われており、注目に値する。以下、重要要点のみをまとめる。

 

 

1. <重要>提出期限の変更

1) FBAR(Foreign Bank Account Report)ないしFinCEN 114と言われる、連邦の海外金融資産の開示申告書の期限は、6月30日から、個人申告書期限と同じ4月15日に短縮された(2017年は4月18日(火))。然しながら、これまで認められなかった延長(しかも自動延長、延長申請必要なし)が可能となり、結果的に10月15日がFBARの最終申告日となる(2017年は10月16日(月))。

2)Form 1120 連邦の法人申告期限は長年、決算後3ヶ月目の15日だった。これを改め原則として1ヶ月遅れの決算後4ヶ月目の15日に延期された。(6月30日決算の法人については、従来通り決算後3ヶ月目の15日)それに間に合わない場合の延長期限は従来通り6ヶ月で変更はないが、若干延滞税が増額されている。 

3) Form 1065連邦の パートシップ申告は逆に期限が短縮されている。従来の決算後4ヶ月目の15日から3ヶ月目の15日に前倒しとなり、引き換えに延長期間が従来5ヶ月だったのが、6ヶ月となった。パートナシップは、なにかとペナルテーリスクの高い申告書であり、要注意である。

 

 

2. 法人にも海外資産報告義務化(Form 8938)

先に述べたFBARに類似する報告書にForm 8938 (Statement of Specified Foreign Financial Assets)がある。米国居住者が海外金融資産を開示しなければならない報告書である。FBARは海外のマネーロンダリングなどの犯罪防止を主目的とするのに対し、Form 8938は、海外での金融資産から派生する所得をIncome Tax Returnに計上することを主な目的としている。目的は違うものの、開示対象の金融資産は類似している。2015年までは、このForm 8938は個人レベルでのみの報告が求めれていたが、法人にも拡充され2016年からは、Form 1120、Form 1065等の付属報告書となった。したがって、FBARとともにForm 8938も、個人と法人の両方の対象となった(FBAR並びに Form8938の詳細については、会計税務情報2016年10月号をご参照)

 

 

3. 送達手段の多様化

申告書の提出方法が多様化し電子申告が大勢を占める時代となったことから大きな変化とは言えないまでも、依然として紙申告方法は不可欠の送達手段であることに疑いない。従来、そうしたニーズに応えられたのは、US Mail以外では、UPS と Fedexの2社に限られていた。2016年からは、これにDHLが加わる。こうした指定業者(Designated Private Delivery Service)を使うことで、投函日はUS Mailと同じくIRSへの書類提出日となる。(Private Delivery Serviceの詳細については、各様式のインストラクション御参照)

 

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