永野・森田米国公認会計士事務所では、日米会計、経理、簿記、監査、税務、など日系企業の
米国進出ならびに米国での事業拡大に貢献してきた米国公認会計士事務所です。

JAPANESE / ENGLISH

採用情報 / お問合せ

トップページ > ニュース一覧

2013年米国税務アップデート(法人課税偏) 2014/03/04

会計税務情報2014年3月号

永野森田会計士事務所

 

2013年米国税務アップデート(法人課税偏)

 

米国経済については楽観論が広がっている。今月のホワイトハウスの予測によると、2014年の米国経済の成長率は3.1%と、昨年の1.7%から成長が加速し、2015年には3.4%になると見通している。そうした中、法人税による税収増が極めて大きいと期待される。一方、法人税の徴収方法も優遇措置等がなくなり、かつてより複雑化している。今回は、2013年の連邦法人所得税の変更点についてポイント的にまとめてみた。

 

 

1. 2013年にExpireする時限立法

 

Sec. 179 expense

固定資産を取得年度において一括損金算入できる。即効力のある節税手段である。2010年から2013年においては、その限度額は$500,000であった。しかし2014年からはその限度額は$25,000と大幅にカットされる。またその損金算入できる控除額は、取得固定資産額がInvestment Limitationを超えるとdollar for dollarで引き下げられるしくみになっている。このInvestment Limitationが、2010年から2013年までは$2,000,000であったのに対して、2014年からは$200,000と大幅に引き下げられてしまうことになっている。

 

例題)ロサンゼルス郊外の日系食品工場は2013年に$1,000,000の設備投資を行った。この年Investment Limitationは$2,000,000であったためこれを余裕でクリア、Sec. 179 expense は上限$500,000一杯までに一括損金参入できた(利益が出ていることが前提だが)。一方、この設備投資を翌年2014年に行っていたのなら全く別の結論となる。Investment Limitationは$200,000までに引き下げられてしまっているため、投資額$1,000,000の$800,000部分はThresholdを超過しまう。dollar for dollarで控除上限$25,000をあっさりと切り崩してしまう計算結果だ。結局、2013年ならば$500,000の控除を取れるのに対して、2014年ならば「ゼロ」となる。

 

50% bonus depreciation

文字通り固定資産50%を一気に減価償却できる特別措置。特定要件(qualifying MACRS property)を満たし2008年から2013年の間に購入されたものに限られてきた。しかし2013年にこの時限立法は終わってしまう。2014年から購入された固定資産については通常の減価償却しかできないようになる。

 

Research tax credit

技術革新のための支出を(損金算入ではなく)税金クレジットとして使用できる。毎年更新される時限立法である。2013年は一応は終わりだが、2014年も連邦議会で審議される予定。

 

15-year life for qualified leasehold, restaurant, and retail improvements depreciation life. 

レストランやリース商業の店舗内の修繕費等は、2004年11月から2013年までの間、特別措置として15年期間で償却できた。しかし、同措置は2013年で終わる。2014年からは原則の39年期間での償却に戻る。

 

Work opportunity tax credit

退役軍人など特定グループ(hard-to-employ individuals)を雇用した場合の税金クレジット。初年度給料($6,000上限)に対し40%のクレジットが計算される。ただしこのインセンティブ措置は2013年までの雇用者対象となる。したがって、2014年以後の雇用については税金クレジットはなくなる。

 

2. Deduction vs. Capitalization

 

原則:固定資産および無形固定資産に対して支出した金額は、税務上もCapitalize(資産計上)しなければならない。さらに改良・改善、復元・現状回復(restoration, adaptation, or betterment)の費用については、基準はこれまであいまいなところがあったが、2013年9月のRegulation発行により、原則としてimprovementとみなしこれらもCapitalizationしなければいけないことになった。

 

例外:2014年1月1日以後に支出したものについては、以下”Safe Harbor”ルールが適用される。例外的に支出時に損金算入できる。

 

a. de minimus safe harbor

CPAによる財務諸表監査を受けた会社については、請求書ごとに(per invoice or item)$5,000までを一括損金算入できる。この選択(election)権を実行するにあたり、

  1. 会社内の会計基準として、一定金額以下の支出について会計上費用化する旨を定めていなければいけない。

  2. 実際の会計処理としても費用化していなければならない。

 

以上の財務諸表上の要件を満たしていない会社については、請求書ごとに$500までしか損金算入できない。

 

b. per building safe harbor

Small taxpayersについては一つの建物(building)の修繕費用を損金算入できる選択制度。Small taxpayerとは、過去3年間の総売上が平均 $10 million以下の法人。一つの建物とはunadjusted basisが$1 million以下であり、それに対する修繕費用がunadjusted basisの2%以下または$10,000を越えないものについては損金算入できる。

 

c. routine maintenance safe harbor

施設のパフォーマンスを通常通り運営する目的のために支出されるメンテナンス費用は、routine maintenanceとして損金算入できる。

 

d. Materials and Supplies

通常支払われる道具類(nonincidental materials and supplies)は原則的にその道具類が実際に使用された年に控除できる。一方、突発的に支払われる道具類(incidental materials and supplies)については、使用の記録がなくとも、金額として支出された年に控除できる。

 

3. ACA impact (Affordable Care Act)

 

a.従業員の健康保険加盟

50名以上のフルタイムまたはそれに値する従業員を抱える企業においては2015年より妥当な価格の健康保険を提供する必要がある。もし提供しない場合は法人に対したペナルティーが科せられる。(1年遅れての法律が施行される)。また50名以下の従業員を抱える企業においてはこの法律は当てはまらないが、SHOP (Small Business Health Options Program)にて健康保険を提供することが可能である。

 

b.メディカル製品の売上げに対するexcise tax

一定の医療機器の売上げに対して、その製造又は輸入する企業に対しては2.3%のMedical Device Excise Tax (医療機器物品税)が課税される。(ニュースレター2013年8月号参照

 

4. まとめ

 

連邦法人税については、2013年で切れる時限立法が多い2014年に新たに投資する際には税金負担を十分考慮するべきである。同時に、固定資産や無形固定資産の控除措置が2014年から新しく導入されるに当たり、会社の会計上ルールおよび財務諸表監査の必要性などについても社内で議論することも肝要である。

 

*******************

 

< 2013年米国税務アップデート(個人課税偏) | JETROセミナー開催について >