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    日本帰国時の個人税務上のポイント

    会計税務情報2010年1月号
    永野森田会計士事務所


    日本帰国時の税務上のポイント


    個人の税金申告のシーズンである。日系企業に勤務する駐在員あるいは永住者が、その米国滞在を終えて帰国を予定する場合、ビザの種類、米国での滞在日数により、別途税務上の手続きが必要となることを、説明する機会が多くなっている。今回は、帰国時に必要となる連邦税法上の注意点についてまとめてみた。


    1. Sailing/Departure Permit


    H1Bビザ、Lビザ、Eビザ等で米国に滞在し、米国税法上居住者として扱われている個人が、米国滞在を終了する場合、帰国日の2週間前までに、Form 1040-Cを IRSへ提出し、”Certificate of Compliance” いわゆるSailing/Departure Permitを受け取る必要がある。実際の手続きとしては、出国30日前から2週間前までの間に、必要書類を揃えLocal IRS Officeへ出向き、実際に予想される所得に基づく納税が行われているか確認を行い、必要であれば納税を行うことになる。また、課税所得がなく一定の条件を満たす場合は、Form 1040-Cの代わりに、Form 2063 (Short Form) の提出が可能となる。ただし、この手続きを行ったとしても、暦年の納税者の場合、翌年の4月15日(場合によっては6月15日)までに、確定申告を行う必要がある。


    2. 帰国年の申告方法


    米国市民権または、永住権保持者が米国滞在を終了する場合、市民権や永住権を放棄しない限り、米国税法上居住者として扱われるため、確定申告においては全世界所得を申告することになる。市民権や永住権を放棄した際の税務上のルールは、別途特別なルールが存在するので、ここでは割愛するが、必要であればIRS Publication 519 などを参照して頂きたい。


    米国市民権、永住権保持者以外で、米国滞在日数によって米国居住者に該当している個人(多くのH1Bビザ、Lビザ、Eビザ滞在者)が、米国滞在を終了した場合、米国滞在の最後の日をもって居住者扱いを終了する申告方法 (Duel Status) での申告が必要となる。申告Form としては、一般にForm 1040 とForm 1040NR の両方を使うことが多いが、帰国日をもって米国居住期間が終了したことを報告するためのステートメントを別途添付する必要がある。そのステートメントには、帰国日、パスポート、ビザの情報に加え、税務上の居住地(Tax Home) が帰国日以降米国外であることを示す情報(勤務地、居住地、家族の居住地等)を記す必要がある。Dual Status での申告では、Standard Deduction が選べない、Joint Return 及び Head of Household が利用できないなどの制限が加わる。


    3. 米国に残しておく銀行預金口座について


    米国内の銀行預金口座から利息収入がある場合、米国税法上居住者の場合は課税所得となるが、非居住者の場合、非課税扱いを受けることができる(非米国事業関連所得の場合)。そのため米国滞在を終了した後に、銀行預金の利息収入から源泉徴収されることを避けるため、各金融機関にForm W-8BEN を提出しておく必要がある。もし、Form W-8BENが未提出であり、本来非課税の扱いを受けるべき利息収入から源泉徴収がされてしまった場合には、確定申告を行い還付の請求をする必要が生じる。


    4.  W-2、1099 関連書類の住所変更


    帰国後、確定申告に必要な書類が確実に手元に届くように、帰国前には手配しておく必要がある。


    5. 配偶者、扶養者が納税者番号(Social Security Number or ITIN) を持っていない場合


    配偶者、扶養者に納税者番号がない場合、配偶者、扶養者控除を利用するためには、ITIN (Individual Taxpayer Identification Number) を申請する必要がある。その申請には公証人によって認証されたパスポートのコピーが必要となる。日本国内では、米国大使館または米国領事館などで対応しているが、米国滞在中に用意しておく方が簡単であるためお勧めである。


    帰国時に適用される申告のルールは若干複雑となるため、帰国に対する税務上の手続きをスムーズに行うためにも、一度専門家のアドバイスを受けることが望ましいと言える。


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    更新日: 2010年02月04日

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