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    減損会計SFAS144*について (2)

    会計税務情報2009年9月号
    永野森田会計士事務所


    減損会計SFAS144*について(2)


    リストラや企業価値の評価損を断行する会社は、「減損」という会計用語をたびたび聞くことになろう。一般的には、減損会計はすなわち固定資産の評価損を連想させることが多い。しかし、米国の減損会計基準SFAS144*(旧SFASであり、今はFASB Accounting Standard Codificationへ移行)においては、この固定資産の評価損はもとより、非継続事業(discontinued operation)の会計処理を規定する基準も含まれている。前月号では、SFAS144の固定資産の評価損について述べてきた。今月号では、日本の会計基準よりも早く導入されてきた、この米国での非継続事業の会計処理について概説する。


    1. 非継続事業(discontinued operation)の定義


    SFAS144では、a component of an entity comprises operations and cash flows that can be clearly distinguished, operationally and for financial reporting purposes, from the rest of the entity と定義づけている。つまり、事業部門、報告グループ、子会社など、キャッシュフローの流れを個別的に把握できる状況にある一つの事業(component of entity)である。こうした事業が、discontinued operationとして開示されるには、次の2つの状況に当てはまる時となる。


    a) 当事業の売却あるいは廃止が決定されており、継続的なオペレーションとキャッシュフローがなくなると予想されること。


    b) その後、企業側は同事業との関わりを持たない方針であること。


    例えば、衣料品メーカーが、色々なタイプの服を部門別で製造販売していることとする。それぞれの部門では、オペレーションおよび現金の流れを個別に把握できる。そうした中、採算の悪い婦人服をまるごと営業譲渡すると会社は決定する。売却されてからは、その婦人服部門と一切関係を持たない予定であれば、上記のdiscontinued operationに該当される。しかし、売却された後も事業提携などにより継続的に事業と関係を持つ場合はdiscontinued operationに該当しない場合もある。


    2. PL上の表示


    Discontinued operationは、PLの下部分で次のように表示される。


      Income from continuing operations before income taxes         xxx
      Provision for income tax                           xxx
      Income from continuing operations                     xxx
      Discontinued operations:
       Income (loss) from operations of discontinued component A    xxx
      Net Income                                   xxx


    PL上では、Income (loss) from operations of discontinuedは、税引後すなわちProvision of income taxの後に標記される。これは、Income from continued operationsよりも、財務情報の利用者にとっては重要性は低い為である。また、同非継続事業の実働損益のみならず、売却・除去時の損益もこの項目の中に含まれる。


    3. BS上の表示


    Discontinued operationと定義された事業部門については、BS上、すべての資産、負債を、他とは別表示にしなければならない。


    以上、discontinued operationsの会計処理はやっかいな手続きが伴う。しかし、こうした開示をすることにより、財務情報の利用者に、企業状況をより正しく判断する為の判断情報を提供することができるのである。


    脚注:
    *2009年7月1日より、FASB管轄の会計原則は、すべてFASB Accounting Standard Codification (FASC))へ移行している。その結果、旧SFAS144の新FASCにおけるの参照条項は、360-10-45-3 (Held-For-Use)並びに 360-10-45-9 (Held-For-Sale)となった。
    *************

    更新日: 2009年09月04日

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