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    2006年米国年金改正の概要

    会計税務情報2006年10月号
    永野森田会計士事務所


    2006年米国年金改正の概要


    2006年8月17日、ブッシュ大統領は30年振りの年金法大改正と目されるThe Pension Protection Act 2006 (PPA)of 2006に署名しました。この新法は企業が加入者に対し受取額を約束する確定給付型年金(Defined Benefits Plan)改革に重点を置きながらも、改革内容は多岐に亘っています。紙面の都合上、その全容をお伝えすることは出来ませんので、今回は、日本からの進出企業に影響があると思われる部分のみを拾ってみました。PPAは、一般的に2007年12月31日以降の年金会計年度から適用されます。


    確定給付型年金への影響


    1、今回の年金改正は、資金不足に陥っている企業年金の建て直しを主目的としています。旧法下では、確定給付年金積立割合は、年金債務の90%で法的条件を満たしたのに対し、PPA は100%満額の拠出を求めております。積立不足があれば、7年間でこれを解消しなければなりません。更に、リスク年金として認知された場合には、満額積立のスピードが短縮されます。リスク年金とは、積立額がリスク債務の70%未満、且つそれ以外の債務の80%未満の年金を指します。リスク債務とは、従業員が10年以内に退職すると仮定した場合の年金債務と定義されています。こうしたリスク年金への制限以外にも、積立率80%並びに60%といった段階が設けられ、それぞれについて年金運営に制限が課せられることになりました。
    2、旧法における雇用者側の経費算入額は、年金債務の100%が上限で、それを超えた拠出については10%の加算税(Excise Tax)を課すことにより、実質的に早期拠出に罰則を課してきました。改正法は、大幅に方向転換し、2006年、2007年で年金債務の150%の控除を許容し、2007年以降は、控除限度が更に拡大されます。


    報告義務の変更


    1、改正法によれば、確定拠出型年金の場合、雇用者は直接投資の権利を持つ従業員に対しては4半期毎、それ以外の従業員に対しては、年に一度の計算明細を配布しなければなりません。これに対し、確定給付型年金については、計算書を3年に一度か、又は年に一度、希望者には計算書が配布されること、並びにその計算書の請求方法について通知する義務を負うことになりました。
    2、年金給付保証公社(Pension Benefits Guaranty Corporation-PBGC- )の保証付年金については、雇用者は、年金会計期間終了後120日以内に年間の積立内容を従業員に通知する義務を負うことになりました。
    3、年金等のIRS報告様式(5500)による報告内容が拡充され、且つ会社内部に公示する事が義務付けられました。


    その他の改変事項


    雇用者が受取人となっている生命保険への課税。
    一般的に、死亡保険は所得税の対象外とされています。この原則は、雇用者が社員の生命保険の受け取り人の立場となる場合についても変りありません。つまり、現在は、会社は従業員に生命保険をかけて、その保険料を払っていれば、無税で生命保険を受け取ることが出来る仕組になっています。然し、改正法によれば、2006年8月17日以降、無税扱いは、支払い保険料の累積額迄とされ、それ超える額は、課税されることになりました。  

    更新日: 2006年10月06日

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