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    日本企業の米国への進出形態と税務

    会計税務情報2005 年10 月号
    永野森田米国公認会計士事務所


    日本企業の米国への進出形態と税務


    今日多くの日本企業が米国に進出し、業務を行っていますが、その進出形態は様々です。進出形態を決定する際には、米国における税務の問題も重要なファクターとなります。進出形態により、連邦、州当局に対する申告義務の有無や申告内容が大幅に変わるからです。今月より数回に分けて、企業の進出形態が米国内の税務にどのような影響を及ぼすか考察していきます。


    日本企業が支店/子会社を利用せず米国で商品を販売する場合


    米国への投資を最小限に抑えたいと企業が望む場合、下記のようなアレンジメントを通じてセールスを展開することが考えられます。それぞれのアレンジメントが、対連邦、州の税務に如何なる影響を及ぼすか注目してください。尚、下記表中の州の項についてはカリフォルニア州のルールを記しています。


     米国での活動内容法人税申告書提出義務の有無(対連邦)法人税発の有無(対連邦)法人税申告書提出義務の有無(対州)法人税発生の有無(対州)
    例①支店・子会社等は設置しないが、米国の客に速やかな対応が出来るよう米国内に倉庫を借り、在庫を維持する。米国内のセールス活動は、専属契約を結んだ代理人(従属代理人)に委託する
    例②状況は①と同じ。ただし、米国内のセールス活動はIndependent Contractor (独立代理人)に委託する。
    例③貸し倉庫、在庫の状況は①、②に同じ。但し、代理人は米国内に置かない。
    例④貸し倉庫、在庫共に無し。但し、①で挙げた従属代理人に米国での販売を委託する。
    例⑤貸し倉庫、在庫共に無し。但し、②で挙げたIndependent Contractor に米国での販売を委託する。無*無*


    上記の表で重要な事は、連邦と州とでは課税対象となる企業活動のレベルに差異があると言う事です。連邦(IRS )に対する法人税が発生するか否かの問題については、日米租税条約が判断の基準になりますが、同租税条約では日本企業が米国内で在庫を有していたり、独立代理人を通して商品を売っているというだけでは、米国において法人税が課せられないと記されています。ただし、上記例①にありますように、従属代理人を用いて米国内で商品を売っている場合、従属代理人は実質的に日本企業の米国支店として機能していると判断され、従属代理人を通じて成立したセールスに関して、日本企業は連邦に対して申告書提出義務、納税義務を負うことになります。米国に現地法人を設立し、それを従属代理人として用いる場合(つまり、親会社に代わって米国子会社がセールスを取り付け、親は子にコミッションを支払う。また、子は親以外のための代理販売業務をしない。)も通常このルールが適用されますので、注意が必要です。日本企業が米国に従属代理人を持つ場合、米国内における在庫の有無に関係無く、申告書提出義務、納税義務が発生します(例④)。


    カリフォルニアを含む多くの州におきましては、日米租税条約が適用されません。よって、連邦に対しては納税免除でも、州に対しては税金が発生というケースが多発します。上記例②および③もその一例です。


    次号におきましては、日本企業が米国に支店/駐在員事務所を開設した場合の税務につき考察します。


    *例④の場合において、州における申告書提出義務、納税義務が免除されるためには、Independent Contractor に対する業務委託内容に特定の制限を設ける必要があります。詳しくは、弊所ロサンゼルス事務所にご相談下さい(Tel: 213-621-2304 )。

    更新日: 2005年10月01日

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