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    新日米租税条約発効へ(その2)

    会計税務情報2004年9月号
    永野森田米国公認会計士事務所


    新日米租税条約発効へ(その2)


    今月号も先月に引き続き新日米租税条約の内容を検証していきます。今回は新租税条約発効後の米国出張に関する免税ルールや個人が受け取った米国収入の取り扱い方の変更を中心にお伝えします。


    1.社員の出張に関するルール変更


    旧条約では、米国出張の合計日数が年間183日を越えなければ、出張中の給与が日本企業又は米国企業の日本支店により支払われる限りにおいて、免税措置が取られていました。新条約下におきましてもこの183日ルールは原則的に継続されますが、注意すべき点が2つあります。第一に、新条約においては給与が米国企業の日本支店によって払われた場合も免税とならない点。第二に滞在日数の計算に関し新たな制限が設けられた点。旧条約では1年間(1月-12月)において米国出張滞在が183日以下であれば、免税が適用されましたが、新条約では年度中を起点もしくは終点とするいかなる12ヶ月間においても出張滞在が183日を超えなかった場合のみ免税が適用されます。


    【例】 日本の新聞社に勤めるA氏は20X7年7月10日より11月10日まで約4ヶ月米国に出張。同氏は20X8年2月10日から5月10日まで約3ヶ月米国に再出張。旧条約においては初年度も翌年度も年間(暦年)の米国滞在日数が183日以下のため、免税が適用。新条約においてはどちらの年度も免税が適用されない(X7年7月10日を基点とした12ヶ月中A氏は約7ヶ月(210日)米国に滞在。同様にX8年5月10日を終点とする12ヶ月間においてもA氏は米国に210日滞在。いずれも183日を越える。)。


    上記制限のため新条約におきましては、前年度米国にて免税扱いとなった出張中の給与が翌年度の米国滞在日数如何によっては一転して課税対象となる可能性も想定されます。その場合には前年度の所得税のみならず延滞利子、ペナルティー等も課せられることが考えられますので、今後社員の米国出張につきましてはその期間につき周到な計画を立てることが重要となります。


    2.日本居住者が米国で契約ベースで仕事をする場合


    会社員の米国出張の場合と同じく旧条約におきましては、米国にPEを持たない日本居住者が契約ベースで米国で役務を提供する場合、年間の米国滞在日数が183日以内であれば報酬額に関わらず米国にて免税とされていました。新条約は滞在日数に関わる制限を撤廃しました。PEに関する制限は継続されています。


    3.役員報酬


    旧条約では日本居住者が米国企業の役員として得る報酬は、役員としての役務を提供した場所を基準に源泉地国が決められていました。その為もあり、通常の役員報酬と役員賞与の扱いが異なっていましたが、新条約においては、役員報酬並びに賞与は何れも企業の所在地を源泉地国とすることで一本化されました。


    4.導入時期


    上記1、2、3とも2005年1月1日から新ルールが導入されますが、最初の12ヶ月間におきましては旧ルールを選択、適用することも可能です。

    更新日: 2004年09月01日

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