会計税務情報2004年8月号
永野森田米国公認会計士事務所
新日米租税条約発効へ(その1)
2004年7月1日を以って、新日米租税条約が一部発効致しました。今回の改正は、従来の条約を全面的に見直し、知的財産権も含む日米間投資交流促進が図られました。この改正は米国収入のある日本企業のみならず、留学生や米国で研修を積む教員、研究者等個人のレベルにも深く影響を及ぼすものです。シリーズ初回の今月は2003年8月号の一部内容を基に、源泉税の問題についてあらためて述べていきます。
1.配当所得
今回の新条約は、積極的な日米間投資交流の促進を税制面から優遇するために、源泉地課税を大幅に軽減しました。一般配当に対する限度税率は15%から10%へ、親子間配当は10%から5%へ引き下げられました。また、50%超の親子間配当については、源泉地国免税となります。
| 旧条約 | 新条約 | |
| 一般配当 | 15% | 10% |
| 親子間配当 | 10% | 5% |
| 50%超の親子間配当 | - | 0% |
2.利子、使用料所得
利子所得につきましては新租税条約の下でも源泉地課税は従来どおり10%とされておりますが、 今回金融機関等を受益者とするものに限り免税されることになりました。使用料に対する源泉税は10%から免税となりました。 使用料となるものは主に著作権、特許権、意匠、ノウハウ、その他知的財産が含まれます。
3.改正に伴う留意点
上記源泉税の軽減は、2004年7月1日以降に支払いを受けるべきものから適用されます。利子、使用料については支払い日が基準となります。 しかし、配当については、米国法人による配当の場合は支払日、日本法人の場合は配当が株主総会で決議された日が基準となりますので、注意が必要です。
米国に所在する日系法人は、新日米租税条約の源泉税軽減税率を享受するため、日本法人である受取人のサインが入ったW-8BEN の保持が必要とされます。この書類は、後日の税務調査時にIRS調査官に提示する必要があります。
新租税条約の発効により、源泉地税免除の恩恵を受ける日本企業は今後納税額が無くても申告書(Form 1120-F) を毎年IRSに提出する必要があります。従来、米国に支店を持たない日本企業の場合、米国から受け取る使用料が源泉徴収されていれば確定申告書の提出は義務付けられていませんでした。 今後はForm 1120-Fに特典条項に関する付表を添付してIRSに提出することになります。申告の詳細につきましては、 専門家にご相談することをお勧めいたします。
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次号では、新租税条約発効後の米国出張に関する免税ルールや個人が受け取った米国収入の取り扱い方の変更につき報告いたします。
更新日: 2004年08月01日



