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    財産評価法

    会計税務情報2004年5月号
    永野森田公認会計士事務所


    財産評価法


    普段の生活では、物品と貨幣の交換、即ち、売買が普通に行われています。然し、時として、売買する積りのない物を貨幣価値に換算する必要に迫られる時があります。例えば、離婚に伴う財産分割、相続や贈与に伴う税額計算、寄付行為の際の節税効果計算,etc. こうした値段のついていない物の値踏み作業を、Valuation(評価)又はAppraisal(鑑定)と言います。(以下評価という言葉を用います。)評価がなければ、不動産も骨董品の売買も成立しないでしょう。銀行が担保を取って貸し付けることもできません。頻繁に問題になるのが、非上場株式の値段設定で、その方法論により、株価は大きく変わってきます。今月は、その基本論理について考察します。
     

    1、 評価には、大きく分けて3つの方法があります。


    a. マーケット法
    b. 収益還元法
    c. アセット法


    2、 マーケット法


    a.  指数算定法(産業基準法) 一般的に、Rule of Thumb と呼ばれています。 一番多いのが売上げの倍率で計算する方法です。例えば、賃貸不動産では、年間賃料の10倍、コンサルテイング会社の売買は、年間報酬額と言った具合です。ガソリンスタンドは、残存リース期間が基準になります。
    b. 実際取引比較法 最も信頼性が高いと考えれている評価法で、最近の近隣地域や同一業種の実際取引価格を基にして算定します。非公開株の値段設定で、最も重要視されるのもこの指標です。


    3、 収益還元法 


    a. 投資法(Capitalization of Earnings)将来の利益予想を立て、それに合理的 に算出された利回率を適用して現在価値を割り出す方法。最も有力な利回率算定法としてはBuild-Up 法があり、米国長期国債利回率に各種リスク利率を加算して求めます。ビジネスの売買に多く用いられます。
    b. キャッシュフロー還元法   将来のキャッシュフローを予測し、上記で用いられた方法と同様の利率で割引き、現在価値を算出します。 


    4、 アセット法


    a. 帳簿価格法(Book Value)財務諸表で表示されている残高を使う方法です。
    b. 取替原価法(Replacement Cost)取得対象資産を作った時の必要コストを基準にし、償却、破損等の調整を加えて算定する方法。
    c. 清算法(Liquidation Value)競売等の現金化のプロセスを経て得られる価格を意味しています。継続性が期待できないビジネスで使用されている什器、備品、機械等の価値算定に用います。 


    実際の評価作業に当たっては、以上の様々な手法の内一つだけを選ぶのではなく、複数の方法論を併用します。異なった方法論からは、異なった評価額が導き出されるのが普通ですので、それぞれに相対的信頼性を示すウエイトを与えて最終値を算出します。
     

    更新日: 2004年05月01日

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