会計税務情報2004年4月号
永野森田公認会計士事務所
Sarbanes-Oxley Act of 2002
エンロン事件に代表される数々の企業破綻と会社ぐるみの粉飾決算、さては、その粉飾を見抜けなっかた監査のあり方を問題視した米国連邦議会は、2002年にSarbanes-Oxley Act(通称"SOX")を制定しました。この法律の登場により、公開会社経営陣の意識改革が余儀なくされたばかりか、今後資本市場から直接資金を調達する為の基本マニュアルが、大きく書き変えられました。又、公開企業を支える会計士にとっては、新たな試練を意味し、より高度な専門性と、厳格な監査基準の実行が求められることとなりました。今月は、漸く運用方法が具体化してきた、当該法律の骨格を概説することにします。
1、 監視機関の新設, Public Company Accounting Oversight Board("PCAOB")を新たに設ける。その役割は次の通り。
a. 公開会社監査を手がける監査法人の登録を強制する。よって、PCAOBの認可を受けずして公開会社の監査に従事することは、違法となる。
b. 監査手続き、品質管理、倫理、独立性その他の基準を定める。
c. 監査法人を検査する。最低、3年に一度、立ち入り検査を行う。そのため、監査法人には、最低7年間の監査調書保管を義務付ける。
d. 一般的に認められた会計原則を定める。
e. 規則違反に際しての罰則の決定。 f. 登録監査法人からの登録料並び年会費の徴収。
PCAOBは独立機関ではなく、SECの命令系統に属する。
2、 公開会社の責任
a. 取締役の職にある者及び独立第三者で構成する監査委員会の設置。
b. CEO及びCFOによる、財務諸表が適正である旨の証明書の発行。 (通称SOX 302)
c. インターナルコントロールの有効性に関する証明書の発行。 (通称SOX404)
d. 財務諸表に重大な欠陥があった為、再作成を余儀なくされた場合の、ボーナスに代表される業績報酬の返還義務。
3、 開示範囲の拡張
a. 取締役並びに執行役員及び10%株主の証券取引内容のPCAOBへの報告。
b. 公開会社が倫理規定を制定していない場合、その事実と理由の公表。
c. 公開会社監査委員会に財務専門委員が存在しない場合、その事実と理由の公表。
4、 会計士の責任と独立性の確保.
a. 税務業務を除く、非監査業務との兼業禁止。例えば、会計システムの導入、株評価、記帳代行サービス他。
b. 税務業務については、監査委員会による事前承認。
c. 同一パートナーによる長期担当禁止。交代期間は最長5年。
更新日: 2004年04月01日

