会計税務情報2003年11月号
永野森田公認会計士事務所 会計税務情報
会社の健全経営のカギ
-取締役会の効果的運営-
会社の意思決定には色々な段階がありますが、実質的に、その頂点に立つのは取締役会であることは言うまでもありません。その意思決定は、外部的には、それが法的手続きの下になされた、即ち、客観性を意味すると同時に、会社内部での不正予防、過度の積極経営への牽制効果も発揮することが期待されます。然し、日系企業は、往々にして、その存在を軽視する傾向にあるので、利用価値の大きさを認識すると同時に、取締役会の具体的運営方法について明確な指針を持つことが望まれます。
1、取締役会の開催手順
▪ 定期的、少なくとも4半期毎の開催が望ましい。
▪ 議題並びに関連情報は、会議に先立って事前に取締役に配布。
2、議題
▪ 予算の承認、決算書や経営データの精査
▪ 雇用、解雇、昇進、昇給等の人事関連事項の承認
▪ 契約、銀行取引、金銭貸借等の承認
▪ 経営計画や方針に関する進捗状況の把握
▪ 会社倫理綱領の制定
▪ リスクマネジメントの監督 (例)保険の手当
▪ 税務調査に際し問題となる事項の承認、(例)役員報酬の決定、株主貸付、利益処分、年金プラン等
3、取締役会運営ルール
▪ 取締役の知識や経験及び意見が自由に披瀝される場であること。
▪ 公平な立場で、反対意見を述べることの出来る場であること。
▪ 社外の意見を取り込む仕組みになっていること。
4、効果の事例
取締役会での意思決定は、議事録として文書化され、保管されることになります。この議事録は、次の通りの効果を生むことが期待されます。
▪ 税務調査に於いては、特に同族会社の株主/役員が法外な報酬を得ていないかどうかに関心が注がれます。妥当な額を超えた報酬は配当となり、経費算入が否認される恐れがあります。議事録で、役員の職務、技能、経験並びに実績について言及されていれば、その妥当性を証明する何よりの証拠となります。
▪ 特に、日系企業に於いては、従業員解雇に絡んで訴訟に巻き込まれることが多く、根拠薄弱な訴訟原因に翻弄されています。定期的な取締役会の開催並びにその記録保存は、そうした偶発的損失防止の決め手となります。
更新日: 2003年11月01日

