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    監査基準改定

    会計税務情報2003年10月号
    永野森田公認会計士事務所


    監査基準改定


    -SAS99の求めるもの-


    エンロン、ワールドコム、タイコー等々の粉飾決算疑惑が生んだ監査法人への不信と,その信頼回復の要請を受けて、一般監査基準(Statements on Auditing Standards“SAS”)が一部手直しされ、第99条―財務監査に於ける不正の検証(Consideration of Fraud in a Financial Statements Audit)―が導入されました。新基準は、2003年の決算年度から適用されます。本稿では、その概要を解説します。
     

    1、SAS82との相違


    これまでも財務諸表監査では、SAS82があり、監査人は、会社内部の不正行為がもたらす財務諸表への重大な影響に責任を持つこととし、監査作業に当たっては、合理的な手順を組み込むことを義務づけてきました。今回導入された新基準は、更にその責任を高め、よって、監査全体に占める不正調査のウエイトを高める内容となりました。


    2、SAS99を反映した監査手続き


    (a) 新基準に於いては、証憑類に対する専門家的疑い(Professional Skepticism)を持つことが求められるようになりました。即ち、新基準下に於いては、会社のマネジメントが提供する情報は、その信憑性をまず疑うことになります。特に、売上げ勘定については、不正の存在を前提とした検証が必要になります。ここで言う不正とは、粉飾決算、会社資産の横領、隠蔽を指しています。

    (b) 会社に対しては、内部不正抑制及び不正発見はマネジメントの固有の義務であることを明確にした上で、不正の存在の可能性について質疑しなければなりません。マネジメントの説明に一貫性が欠如していると判断される場合、監査人は傍証を固めることが求められています。

    (c) 不正を生む誘引の有無と、それを実行する機会及びそれを正当化する環境の存在について分析しなければなりません。例えば、会社の業績とマネジメントの報酬との関係、高い収益率と貧弱なキャッシュフローとの共存、マネジメントの租税回避への異常な関心、非効率的な会計システムの温存等々がこれに当たります。

    (d) 調査の過程で、誤りが発見された時には、それが不正に起因しているかどうかを判定しなければなりません。

    (e) 最後に、発見された誤りの、個々の勘定項目及び財務諸表全体に与える影響が重大か、そうでないかを判断し、しかるべく措置を講ずる事で、監査人の責任は全うされたことになります。

    更新日: 2003年10月01日

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