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    日米租税条約等改定へ

    会計税務情報2003年8月号
    永野森田公認会計士事務所


    日米租税条約等改定へ


    イラク戦争終結後、日米の急接近が注目されています。独仏の裏切り行為に失望したブッシュ政権が、アジアの最大の同盟国たる日本を再評価したのが一因と考えられます。この流れは、日米間国際税務の面に顕著に現れ、懸案の社会保険、医療保険一本化と両国間の配当、利息などに課せられて来た源泉税の撤廃が、近々法制化される見込みとなりました。よって、日米間の資本移動は、これ迄にも増して活発になる事が期待されています。
     

    1、社会保険の一本化


    駐在員等短期滞在の目的で米国で勤務している日本人は、現在、社会保険料並びに医療保険料の二重課税という重荷を背負わされています。その額、およそ年間800億円。これは、回り回って最終的には企業の負担になる為、米国での企業活動の障害や国際競争力を損なう原因になるなどと、日本経済界からは、その改善を求める声が高まっていました。然し、米国にとっては貴重な財源を失う可能性のある問題なだけに、交渉には十余年の歳月を要し、漸く、先月30日、日本の外務省と米国社会保険局は実務者レベルの会合で、最終合意がなされるに至りました。その骨子は、次の通り。


    a 5年以内の米国勤務に対しては、加入を免除する。

    b これを超える勤務については、日本での公的年金加入期間と通算し、米国の基準を満たせば、米国から年金が支給される。

    c 医療保険については、実質的に掛け捨てとなっていることから、免除する。


    今後、国会の承認を経て、日米社会保障協定なるものが2004年-2005年頃に発効の見込みです。


    2、日米租税条約改定


    社会保険等の一本化と軌を一にして、31年振りに日米租税条約が改定されることにもなりました。特許権や商用権など知的財産権の比率が有形資産を凌ぐ時代にあって、その使用料のやり取りに日米双方が源泉税を掛け合うことは、今後の日本の経済活動にとって好ましいことではありません。又、日本は債権国としての立場から、利息や配当の国際収支貢献の役割も見逃す訳にはいきません。今回の日米租税条約改定は、そうした背景を持つ日本の長期計画の一環となると同時に、どちらかと言えば、社会保障協定の分野では、日本有利の弊害を、米国有利(日本から米国への出超)のこの分野で調整を図る意味を持つと考えられます。以下はその骨子です。


    a 特許権、商標権の源泉税(現行 10%)の撤廃。

    b 関連する企業間で払われる貸付利息の源泉税(現行 10%)の撤廃。

    c 関連する企業間で払われる配当金の源泉税(現行 10%)の撤廃。


    社会保障協定同様、2004年―2005年頃に発効の見込みです。
     

    更新日: 2003年08月01日

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