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    留学生、研修生の税務

    会計税務情報2003年4月号
    永野森田公認会計士事務所


    留学生、研修生の税務


    推定10万人はいるといわれる日本からの留学生や研修生(以後、留学生と呼ぶ)は、親の仕送りや派遣元の会社から支給される国内給で生活していて、アメリカでの所得はないことから、本人のみならず、周りの人もアメリカの税金には関係ないと思いがちです。これは誤解で、留学生は税法上の様々な義務を果たさなければならない立場に置かれています。2001年の9.11テロ以来、アメリカ政府は外国からの留学生の存在に神経を尖らせているという背景もあり、基本的な規則は理解しておかなくてなりません。
     

    留学生の報告義務(Form 8843)


    税金を納めるかどうかの判定基準の一つに、アメリカでの滞在日数があるということを以前ご説明しました。(2001年1月号御参照)その基準を留学生に当てはめると、少なくとも2年目からは居住者として日本での所得を全て申告しなければならなくなります。これでは企業派遣留学生など、本国で所得を得ている外国人の経済的負担が過大になるので、居住者判定基準を定める税法7701には例外規定が設けられました。その為、留学生は滞在日数にかかわらず(学生の身分での滞在期間は日数計算から除外するの意味)、非居住者として扱われます。留学生が、アメリカ国内での所得がなければ所得税を納めなくて良いのは、そうした理由からなのです。(以上は国レベルでの話しで州の税制は、異なることがあるので注意―例、カルフォルニア9ヶ月テストなど)一方、アメリカ政府としては、同制度を悪用し、本来の留学目的とは関係の無い活動をする者への警戒もしなくてはなりません。そこで、Form 8843(下に掲載)が制定され、留学生は毎年これを提出しなければいけないことになっています。


    非居住者の株取引によるキャピタルゲイン


    留学生は自動的に非居住者であると言いました。それ自体は正確な表現で、誤りはありませんが、非居住者による株取引に関する税法871条の規定との兼ね合いでは、注意が必要です。当該税法では、183日以上滞在した外国人がアメリカ国内の株取引で得たキャピタルゲインは30%の源泉課税を課すると規定しています(逆に言えば、183日未満なら無税)。 税法7701により、留学生の身分での滞在期間は日数計算から除外されるのであれば、学資を捻出するために株取引を行い、キャピタルゲインを得たとしても、非課税との結論になるところ、当局は、株取引に関しては、871条に定めてある日数規定で判定するとの立場を明確にしています。即ち、滞在日数が183日を越えると居住者という、一般基準で課税されるのです。当局の解釈には無理があり、論理的整合性を欠いています。然し、当局と争うのは得策ではありません。トラブルに巻き込まれないためには、こうした当局の現在の立場を知っておく必要があります。



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    更新日: 2003年04月01日

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