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    ストックオプション議論の本質

    会計税務情報2002年9月号
    永野森田公認会計士事務所


    ストックオプション議論の本質


    アメリカ経済では、今更何?と思われる話題が関心を呼んでいます。どうしたら企業の業績を正しく判定することが出来るかという、会計学本来の役割についての問いかけです。今月は、続発する産業界の不祥事を背景にしたこの議論の主役であるストックオプションをテーマに選びました。産業界を二分している、その経費化の是非とは何なのかを見てみることにします。

    インテル社はストックオプションを経費化せず。


    先月8月8日のウオールストリート ジャーナルはこう報じています。元々、この制度は新興企業が資金力に限界がある中、有能な人材を集める為の切り札として活用されてきたところから、実質、賃金の性格が色濃いことについては否定しようがありません。会計不信で、元々軟弱な株式市場の地合が更に底割れすることを恐れた大手有名企業は、その実質を認め、次の通り、ストックオプションを損益勘定で処理する方針を次々に打ち出して来ました。そうした中、ハイテク企業の雄、インテル社の発表は、流れに真っ向から逆らう形になり、同調する企業も多いだけに、今後も白熱した議論が戦わされることでしょう。



    会社名実施時期
    Coca-Cola2002年第4四半期
    Computer Associates2003年4月
    Cooper industries2003年1月
    General Electric2002年第2四半期
    General Motors2003年1月
    Marathon Oil2003年1月
    Procter & Gamble2004年6月会計年度


    Wall Street Journal-Market Place, Aug. 8, 2002
    SFAS 123


    では、会計原則はどうなっているのでしょう。現在の会計原則の中心的存在はSFASであることは、言うまでもありませ。実は、ストックオプション会計については1995年にすでにFASBが新規則SFAS123を打ち出しましたが、産業界の強い反対に会い、強制でなく、任意規則となった経緯があります。同規則は、ストックオプションを、報酬的(Compensatory)とそうでないものに分け、前者については、オプション供与時点での株価との差額を費用として認識することを求めています。


    議論の本質


    新聞等の報道では、オプション会計の歴史が省略されている為か、あたかも、会計原則不在のような印象を与えられがちです。然し、事の本質は、次の点にあるように思われます。


    1、少数の経営トップのみが大量のオプションを与えられ、その実行が、株価を大きく左右するような状況と、広く従業員にオプションが配分され、自ずから、その実行が株価にもたらす影響が限定的である場合との区別がなされるべきか。

    2、オプション価格が市場株価以下で与えらたら、差額を経費、反対勘定として、何らかの債務勘定を確立するのは良いが、その後の株価変動をどのように損益に反映するか。

    3、損益勘定まで煩わさず、オフバランスシート取引と考え、デスクロジャーでこの問題の解決すべきではないか。


    FASBが新たな、方針を打ち出すまで、オプションを巡っては他にも様々な議論が戦わされることでしょう。

    更新日: 2002年09月01日

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